妊活になぜ東洋医学?
東洋医学にはどんなイメージがありますか?
例えば漢方薬。体に優しい薬というイメージがあるためか、不妊治療をされながら漢方薬を飲まれている方が多いです。
鍼灸もマッサージなどでおこる揉み返しがなく、副作用もないので治療を受けられている方が増えています。
東洋医学はもともと身体の中の調和の乱れを改善して、本来持っている自然治癒力を高めることが基本的な考えです。
複雑な診断法の理由
東洋医学は鍼灸・漢方・養生と3つの療法があり、すべて聴診器や体温計もない時代にできた治療法です。
機械に頼らずに患者さんをみるため、診断がとても複雑です。
「望」・「聞」・「問」・「切」という4つの診断法があります。
望…患者さんの体格・顔色・眼・皮膚・舌を診ます
聞…患者さんの声の力強さや呼吸音、体臭などを診ます
問…西洋医学と同じく患者さんに問いかける問診です
切…脈を診る「脈診」とお腹を診る「腹診」、舌を診る「舌診」があります
診断法の中の切診ですが、身体の症状や病は脈やお腹・舌にあらわれると言われており、例えばめまいの症状があっても、めまいと関係なさそうなお腹を触る腹診をします。
不妊治療の場合でも、一見関係なさそうな舌を診たりするのです。
東洋医学では「切診」によって患者さんのお身体の状態が分かるといわれています。
ただ正確な数字でのデータが出ないため、不妊治療の際は西洋医学と併用した方がよい理由がここにあるのです。
不妊治療では?
不妊治療において東洋医学は、冷えがある方には血液の循環を改善し、卵巣・子宮への血流を促します。これによって排卵誘発や子宮内膜の改善が期待できます。
ただし、鍼灸や漢方だけでは時間がかかります。
また癌や腫瘍などの器質的な障害には効果が少ないこともあります。
そのため西洋医学と併用して治療するのをおすすめしています。
東洋医学それぞれの注意点
鍼灸や漢方には副作用がないと思っておられる方もいるかもしれませんが、実は全くないわけではありません。
鍼灸治療の場合、人工受精や体外受精後、また妊娠初期の方に刺激すると良くないツボも存在しています。
通常であればそのツボを刺激し気や血の巡りを活発にさせる、そんな目的のツボも妊婦さんにとっては、巡りをよくすることで流れてしまう恐れのあるツボになりうるのです。
ですので私たち鍼灸師は、そういったツボを避けながらしっかりと身体を整えるツボを選び治療しています。
また漢方薬の中にも、風邪薬として飲んだ生薬に血圧を上げてしまう成分が含まれることもあり、高血圧の方が身体によいと思って飲んでいると実はその方の身体にとっては問題があった…なんてこともあるので、いずれにせよ注意が必要なのです。
さいごに
東洋医学では、漢方・鍼灸・養生と3つの療法があり、どの療法もすぐに効果が出るものではなく、時間をかけて根本からしっかり治し、維持させます。続けることが大切ですので、すぐに効果があらわれなくても諦めないでください。
特に妊活はなかなかゴールが見えない長い道のりで、くじけそうになることも多いです。
漢方や鍼灸でお身体の土台をしっかりとつくることで、まずは肩こりや生理痛などの不定愁訴が少なくなり、確実にゴールに近づくと私たちは信じています。一緒に頑張りましょう!
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不妊治療専門 北堀江アクア鍼灸治療院
院長 松本茂文
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